絵本の力を再発見 読み聞かせの本選び(低学年)

未分類

コロナ禍が明け、今年度は学校行事やイベントが次々と再開されていますね。

近所の小学校でも、今年は3年ぶりに朝の読み聞かせ活動が解禁されました。
読み聞かせ活動には、かれこれ7年以上関わっていたのですが、
先日は約3年半ぶりでの教室訪問、少々緊張しながらの再スタートとなりました。

今回の担当は2年生。選んだ本は「めっきらもっきら どおん どん」です。

暦の上ではもう秋ではありますが、まだ暑い日が続くこの頃、
夏の夜のような絵本の雰囲気を子どもたちと楽しんでみようというわけで。

ここでは、子どもたちの反応を交えて、この作品の魅力と読み聞かせについて紹介します。
ご家庭や学校での読み聞かせ、図書活動などにお役立ていただけましたら幸いです。

作品について

「めっきらもっきら どおん どん」(こどものとも傑作選)

 作:長谷川摂子
 絵:ふりやなな(降矢奈々)
 出版社 ‏ : ‎ 福音館書店 
 発売日 ‏ : ‎ 1990/3/15
 ハードカバー ‏ : ‎ 32ページ

遊ぶ友達を探しているうちに、口にしためちゃくちゃの歌が呪文となって迷い込んだへんてこな世界。
そこで出会う不思議な3人組(おばけたち?)との楽しい時間を描いたファンタジーです。

作者の長谷川摂子さんがお子さんのために作り、寝る前にしてあげたお話を作品にされたそうです。
自分のためにお話を作って聴かせてもらえるなんて、素敵ですね。

めっきらもっきら どおん どん|福音館書店
めっきらもっきらどおんどん。子どもたちに長く読み継がれる絵本・童話・科学書を作り続けている福音館書店の公式サイト。

「読んであげるなら 3才から」と書かれていますが、小学校低学年にも十分楽しんでもらえます。

読み聞かせの工夫

言葉にも絵にも、場面の展開にも躍動感のある絵本です。
わくわく感が出ればと、緩急のメリハリをつけてリズムよく読んでみましたが、
子どもたちも、物語のテンポに乗って楽しんでくれているようでした。

また、3人のおばけのセリフはどれが誰のものかを想像し、声色やスピードを変えて。
3人それぞれに一貫したキャラクターを設定してみました。

そして、この本は途中、縦横が変わるページがあります。
縦長のページは効果的に見せられるよう、めくり方にも注意を。

子どもたちの反応

1年生の頃から学級崩壊があったと聞く学年での読み聞かせで、ドキドキしながら教室へ。
入ってみるとなるほど、担任の先生が声をかけても耳に入らない様子で歩き回っている子が数人。
恐らく日常のことなのでしょう、先生の声にもイライラ感が…。

こんな感じでしたので、聞いてもらえるのかな?と少々不安でもありましたが、
読み始めてみると、みなさんよく聴いてくれる上に様々反応があり、ほっとしました。

「あ、うしろに〇〇がいる!何かねらってるみたい!」など言う子もいて、
よく絵をみているなぁとこちらが驚く場面もありました。

また、面白かったのは、最前列にいた女の子たち。
主人公のかんたが、出会った不思議な3人(おばけたち?)の遊ぼうよという誘いを断り、
3人が大泣きするシーンでのことでした。

「あ!このおばけたちって、かんたの心の中を表しているんじゃない?」
「そうだ!だって、あそぶともだちがいなくてつまらなかったんだよね?」

想像力を膨らませながら聞いてくれていることも嬉しく、改めて絵本の力を感じました。

ロングセラー絵本を選ぶこと

今回の選書、実は少し悩みました。
ロングセラー絵本に子どもたちがどのように反応するか、予想しきれなかったためです。

世代を越えて親しまれている作品とはいえ、
中には読書や読み聞かせ自体にあまり馴染みがない子もいるため、
今風ではない言葉や文化がどこまで通じるのか、気がかりでした。

例えば、遊ぶ友達を探して神社の境内に行くとか、
「ふろしき」「ビールのおうかん」といったものたち。
今の子どもたちには、なかなか馴染みのないものですよね。

でも、読みながら子どもたちの様子を見ていると、
細かなところで知らないものや想像しきれないものはあるのでしょうけれど、
しっかりと物語にアクセスして、彼らなりに想像力を働かせて楽しんでいます。

やはり面白さの本質を備えているのがロングセラー絵本なのですね。

絵本の力を再発見

今回は久しぶりの小学校での読み聞かせで、絵本の力を再発見しました。

来月は1年生と5年生。
朝の10分、子どもたちによい時間を過ごしてもらえるよう、
読みの力はもちろん、選書眼も養っていきたいです。

本や読み聞かせについて、また紹介してまいります。

お読みいただき、ありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました